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「近頃運動不足で~」という会話は女性のあいだでは半ば挨拶代わりのようなもの。しかし、運動不足を甘く見ていると、文字どおり痛い目にあう、ということはご存じだろうか? 

営業事務のU子さん(当時32歳)の場合。1日ほぼ座り仕事で残業が多い労働環境。ある日、歩行も困難なほどの腰痛になる。医師の診断は「運動不足ですね」。筋肉が骨をサポートして体を支えているのに、筋肉が弱っていては骨に負担がかかり過ぎ、それが腰痛の要因だという説明を受けた。「運動不足が原因だとは夢にも思っていなかった」とU子さん。

筆者も、U子さんと同年齢の頃、パソコンを1日7~8時間していた時期に腰痛になったが、その後は寝違えで首が痛み、重い肩こりも続き、マッサージに通ったもののひどくなるばかり。そして、ある朝これまでにない激痛に見舞われた。手を動かしても歩いても、痛みがビリッと背中から手に走り、首は回らず、座っているのもつらい。病院でレントゲンを撮って発覚したのは、頚椎のすり減り。普通なら高齢になってから出る症例らしい。さらに、頚椎が変形して前のめりになり、まっすぐになってしまっていると診断された。

これは「ストレートネック」といい、近年増えている症状。頚椎のカーブが正常なら頭部は頚椎でしっかり支えられるが、ストレートネックだと頭を首の筋肉で支えなければならず、筋力がないと骨に負担がかかる。筋力の弱い女性がなりやすく、パソコンやゲーム機、携帯を使う際、首を前に突き出し、前屈みになる姿勢を長時間続けることも一因だといわれている。同じ姿勢で座っている時間が長い、肩こりがひどい、首を後ろに傾けると痛い、頭痛がち、「猫背」な人は予備軍かもしれないので要注意だ。

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大切な神経が集まっている首の不具合は、体にさまざまな不調を引き起こす要因になるともいわれる。最近でこそそうした情報が入ってくるようになったが、西洋医学では首が原因の病気はないとされ、長いこと医学の盲点だったという。これといった治療を施されなかったため、自分で調べ対処法を模索している人も多いようだ。

数年前の筆者も同様。ネットの掲示板で相談したある接骨院の院長さんによると、自分も首の骨の形状はあまりよくないが、筋トレをして鍛えているので痛みはないとのことだった。それを参考に、座りっぱなしの生活を改めなるべく歩くようにするとともに、プールで水中ウォーキング、スポーツジムでのマシントレーニングなどの運動を始めた。運動前後のストレッチも続けるうち、まず、以前ほど肩がこらなくなってきた。

パソコン環境も改善。肘が浮いて肩に負担がかからないよう、肘掛け付きで座高が調整できる椅子に変え、浅く腰掛けるのは腰に負担をかけるというので、奥まで深く座り、背もたれに軽く背中を預ける姿勢を心掛けるようにした。また、ノートパソコンはモニターが低い位置にあり目線が下がるため、うつむく姿勢になりがちだから、本当はデスクトップパソコンの方がいいという。だが、あいにくノートパソコンに買い替えたばかり。パソコンの下に台を置き、目線と同じ高さにくるよう調整した。

そんな工夫を重ねた生活に切り替えた結果、その後、痛みは起きておらず、痩せるというおまけもついてきた。前述のU子さんも、駅まで自転車を使っていたのを徒歩に切り替えて腰痛を克服したうえ、スリムになったという。

腰痛やストレートネックは、子どもにもみられるというから、みなさんも、他人事と思わずご注意あれ! エスカレーターよりも階段を使うなど、毎日のちょっとした運動の積み重ねで、「まさかの痛み」の予防を心掛けてほしい。(オフィスエムツー/オオノマキ)



【記事提供元】独女通信 http://news.livedoor.com/category/vender/90/