a0001_015393
着物、歌舞伎、お茶、お華。相撲観戦に俳句に落語。
四十路の看板が見えてくると、なぜか「和」の趣味に走り出す女性、あなたのまわりにもいませんか? 歌舞伎座や寄席に足を運べば一目瞭然。そこには必ずと言っていいほど着物姿の女性グループがたむろしている。

女は年齢を重ねると、なぜ「和」にハマってしまうのか?


■高学歴女子は30過ぎると着物にハマる

和の趣味の中でもハマる筆頭といえばやはり着物の世界だ。大手出版社に勤務する真由美さん(39歳)もその一人。

「出版業界、とりわけ文芸編集者やマンガ家担当編集のアラフォー女性は着物にハマる人が多いですよ。私もそうだけど、よく見かけるのが作家先生の趣味にお付き合いしてるうちに自分も影響されてというパターン。そろそろ教養ある大人の女に見られたい年頃ですから(笑)。趣味にお金をかけられる独身の強みで、バリバリ稼いでガンガン着物に落としてます」

確かに着物趣味を公言している売れっ子は多い。マンガ家だと『ベルサイユのばら』が有名な大ベテランの池田理代子、『ハッピー・マニア』『働きマン』で時代の寵児となった安野モヨコ、コミックエッセイで人気のギャグ漫画家・伊藤理佐。小説家の林真理子は『着物の悦び』というエッセイも出しているほどのマニアだ。

そして彼女たちのほとんどが、30代を過ぎてから着物の魔力にハマっている。一体なぜ?

「だってスタイルじゃもう若い子に勝てないでしょ。35過ぎたら体型は崩れていく一方だけど、寸胴体型の方が似合う着物ならそれもカバーできる。それに着物ってとにかくお金がかかるんですよ! 一回の買い物が十万単位になることもざら。でも経済力がいる趣味だけに、20代の小娘が参入できないのもアラサー的には役得なところ。この世界じゃまだまだ私たち“お嬢さん”扱いされますからね」(真由美さん)

どうやら着物を趣味にするために必要なのは、若さやスタイルではなく経済力と教養のようだ。都市部の高学歴・高収入インテリ独女が着物にハマるのも納得だ。

a0001_006827

■和の世界でなら30・40代はまだまだ“お嬢さん”

着物以外にも、和モノにハマる独女は多い。都内在住の事務員で、バツイチの聡子さん(40歳)の趣味は「落語」と「俳句」だそう。し、渋いっ!

「今好きな噺家は春風亭昇太と桃月庵白酒。月に2、3回は仕事明けに独演会に行ってます。俳句は月1で定期的に句会に通っています。自分でもじじむさい趣味だと思いますけど、こういう穏やかな侘び寂びの世界が今の心境にはしっくりくるんですよねぇ。結婚・離婚・病気と30代が心身ともに慌ただしかったせいか、40代は心の安寧を求めてるのかも……。あと定年退職後のおじいさん世代がほとんどなので、チヤホヤされるのも気分いいですね(笑)」

輸入雑貨店に勤める愛子さん(30歳)が今せっせと通い詰めている場所は両国国技館。そう、彼女が今一番ハマっているのは相撲観戦だ。

「たまたま知人に誘われて升席で観戦したら、これがもう非日常感たっぷりで超楽しくって! ビールと焼き鳥片手にだらだらお喋りしながら、男同士がガチンコ勝負してる姿を眺めるなんて気分はもうお殿様でしょ(笑)。ルールとか細かいことはいまだによくわかんないけど、あのゆる~い雰囲気はハマるとクセになる。隣り合ったじーさんに『いい飲みっぷりだねえ!』と褒められてビール奢ってもらえたりもするし」

そう、ジジババが多い和の趣味の世界では、30・40代なんてまだまだ可愛い“お嬢さん”なのだ。年長者に可愛がられたり、ちょっと一杯奢ってもらえたりという特典がついてくるのも、もはや仕事や恋愛でそんな扱いを受けることがなくなった女性にはおいしいポイントなのだろう。

失われていく若さを教養で補強できて、さらにはお嬢さん扱いもされていい気分になれる。年齢を重ねた女が和の趣味にハマってしまうのは必然の流れなのかもしれない。(小鳥居ゆき)




【記事提供元】独女通信 http://news.livedoor.com/category/vender/90/